ヨーロッパ旅行を計画していると、ローマやミラノへのフライトでITAエアウェイズを見かける機会は少なくありません。
一方で、ネットの口コミを見ると気になる評判もあり、利用を迷う方も多いのではないでしょうか。
せっかくの空の旅なので、フライト選びで失敗は避けたいものです。
そこで今回は、私が実際にITAエアウェイズへ搭乗した体験をもとに、機内の様子や機内食、預け荷物の対応などを詳しくレビューします。
今回利用したのは、マルタ発ローマ行きの短距離路線ですが、航空会社のクオリティや安全性といった基本部分は長距離路線とも共通しています。
これから利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ITAエアウェイズの概要・特徴
ITAエアウェイズは、ヨーロッパ内の主要都市はもちろん、日本とイタリアを結ぶ直行便も毎日運航しています。
イタリア旅行の移動手段を検討する際、候補として名前を見かける機会も多くなりました。
一方で、まだ新しい航空会社ということもあり、大手日系航空会社ほど馴染みがあるわけではありません。
そのため「そもそもどんな航空会社なの?」「噂にあるようなトラブルや安全性は大丈夫?」と、疑問や不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、実際に搭乗したレビューの前に、知っておきたい基本情報を整理しました。
ITAエアウェイズの設立の背景や、現在の路線ネットワーク、気になる安全性について詳しく見ていきましょう。
設立
ITAエアウェイズ(Italia Trasporto Aereo)は、イタリアの新たなフラッグキャリアとして2021年に運航を開始した航空会社です。
長年イタリアの翼であった旧アリタリア航空の後継会社として誕生し、現在は同国を代表する航空会社として国内線・国際線を幅広く運航しています。
比較的新しい航空会社ではあるものの、アリタリア航空から受け継いだ歴史や運航のノウハウを持っており、イタリア旅行における有力な選択肢のひとつです。
さらに現在は、ドイツの最大手であるルフトハンザグループの傘下に入り、世界最大級の航空連合「スターアライアンス」に正式加盟しています。
これにより、ANAをはじめとする加盟航空会社とのマイル連携や、スムーズな乗り継ぎができるようになり、日本の旅行者にとっても利便性と安心感が大きく向上しました。
路線ネットワーク
ITAエアウェイズは、イタリアの空の玄関口であるローマ・フィウミチーノ空港(FCO)をハブ空港として運航しています。
イタリア国内はもちろん、パリやロンドン、マドリード、フランクフルトなどヨーロッパ主要都市への路線が充実しており、イタリア各地や欧州各国へアクセスしやすいのが特徴です。
また、日本からは東京(羽田)とローマを結ぶ直行便も運航しています。
乗り継ぎの手間を減らしてイタリアへアクセスできる点は、大きなメリットといえるでしょう。
一方で、エミレーツ航空やカタール航空といった中東の巨大キャリア、あるいはANAやJAL、グループ会社であるルフトハンザ航空のような大手キャリアと比較すると、路線ネットワークの規模はそれほど大きくありません。
世界中の都市へ幅広く就航しているというよりは、イタリアとヨーロッパを中心に強みを持つ航空会社と考えるとイメージしやすいです。
イタリア旅行や主要なヨーロッパ周遊であれば十分便利ですが、マイナーな都市へ向かう場合は他社便との乗り継ぎが必要になるケースもあります。
安全性
ネット上では、旧アリタリア航空のイメージから「危険なのでは?」「すぐに経営破綻するのでは?」といったネガティブな評判を目にすることもあります。
しかし、ITAエアウェイズはアリタリア航空を引き継いだものの、完全に別会社として設立されているため、過去の評判とは切り離して考えて問題ありません。
実際に機材は新しく、アリタリア時代から大幅に刷新されています。
2021年の運航開始以来、乗客・乗員の死亡を伴う重大事故を起こした記録は一度もありません。
また、欧州連合(EU)の厳しい安全規制をクリアして運航しているだけでなく、現在は大手ルフトハンザグループの高度な運航・整備ノウハウも共有されており、バックボーンの信頼性は非常に高いと言えます。
私が実際に搭乗した際も、離着陸を含めて終始スムーズな運航で、フライト中に不安を感じるような場面は一切ありませんでした。
初めて利用する方でも、過度に心配する必要はないでしょう。
搭乗記|実際に搭乗した結果をレビュー
ここからは、私が実際にマルタからローマまで、ITAエアウェイズに搭乗した際の様子をレビューしていきます。
前章ではネットワークや安全性など、客観的な特徴を中心に紹介しました。
しかし、実際に自分で利用してみると、良かった点ばかりではなく、少し残念に感じたポイントや事前に知っておくべき注意点も見えてきました。
旅行者のリアルな目線で、搭乗前から到着までの流れを時系列でお伝えします。
気になった点も包み隠さずシェアしますので、利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
搭乗前
私は現地での行程を組むために、搭乗の1週間ほど前から、今回利用する路線の運航状況をネットでチェックしていました。
すると、ほぼ毎日出発が遅れており、ひどい時は3〜4時間も遅延している日がありました。
そして私が搭乗する当日も、やはり1時間ほどの遅れとなりました。
ローマに到着した後、ホテルへの送迎サービスや観光の予定を入れる方も多いかと思いますが、ITAエアウェイズを利用する場合は、ある程度の遅れを見込んだ上で旅程を組むのが確実です。
私も当初は送迎を予約していましたが、到着時間が読めそうにないと判断し、事前にキャンセルをしました。
当日の搭乗手続き自体は、スマホでのオンラインチェックインを含め、他の航空会社と特に変わりません。
ただ、私の認識不足から、荷物に関して思わぬ失敗をしてしまいました。
航空券を予約する際、料金の安さに惹かれて「Economy Light」というクラスを選んだのですが、これが盲点でした。
このプランは価格が安い代わりに、なんと無料の預け荷物が含まれていなかったのです。
その事実を知らないままカウンターへ向かったため、その場で80ユーロ(日本円で約1万4千円)の追加料金を支払うことになり、不意の出費で精神的にダメージを受けてしまいました・・。
後から調べて分かったのですが、日本の航空会社ではまだあまり馴染みのないシステムであるものの、欧州や北米の航空会社では、こうした「預け荷物なしの格安プラン」は珍しくないようです。
さらに、当日カウンターで荷物代を払うと、最初から普通のEconomyクラスで予約するよりも高くつくケースが多いようです。
特に海外の航空会社を利用する際は、安さだけで選ばず、予約画面で預け荷物が含まれているかを必ずチェックしておくことをお勧めします。
飛行中
マルタ国際空港は比較的小規模な空港です。
そのため搭乗時はボーディングブリッジではなく、ターミナルから歩いて機体へ向かいました。
目の前に現れたITAエアウェイズの機体は、深いブルーを基調としたデザインが印象的です。
多くの航空会社が白をベースにしているなか、このカラーリングはひと目でITAエアウェイズだと分かります。
スタイリッシュで、イタリアらしいセンスを感じました。

今回搭乗したのは短距離路線だったため、機材は小型のナローボディ機で、座席配置は3列+2列でした。
シートピッチもやや狭く、さらに私が搭乗した便は体格の大きな方が多かったこともあり、かなり窮屈に感じました。

座席にはUSBポートが備えられており、スマートフォンの充電には困りませんでしたが、座席モニターは設置されていません。
映画や音楽などの機内エンターテインメントを楽しむことはできず、フライト中は自分で用意したスマホやタブレットを見る形になります。

また、たまたまだったのかもしれませんが、搭乗時に機内音楽(ボーディングミュージック)は流れていませんでした。
航空会社によっては音楽とともに旅の気分が高まっていくものですが、この便は全体的にかなり実務的な雰囲気です。
モニターがないため安全説明も客室乗務員が実演形式で行い、離陸までの流れは淡々と進んでいきました。
ただし、機内の雰囲気で特に印象に残ったのはムードライティングです。
天井の間接照明はITAエアウェイズのコーポレートカラーである鮮やかなブルーを基調としており、そこにゴールドの光が加わります。
シンプルな機内ながら、どこか洗練された雰囲気があり、ここでもイタリアらしいデザイン性を感じました。

この日は夜の便だったため、機内食を夕食代わりにできればいいなと考えていました。
しかし、正直に言うと機内サービスは期待外れでした。
提供されたのはドリンクと小さなスナック菓子のみです。
短距離路線なので豪華な食事までは期待していませんでしたが、お腹を満たすには物足りない内容でした。

後から調べてみると、ITAエアウェイズは機内食のボリュームについて厳しい口コミも見られますが、今回のフライト体験を通じ、その評判に納得してしまいました。
特に食事の時間帯に搭乗する場合は、空港で事前に食事を済ませるか、軽食を用意しておいた方が安心だと思います。
一方で、フライトそのものは非常に快適で、大きな揺れに遭遇することもなく、離陸から着陸まで安定した飛行が続きます。
夜のフライトだったこともあり、ローマが近づくにつれて眼下には美しい夜景が広がっていました。
白銀の灯りが続く景色を眺めていると、いよいよイタリアに着くんだなという実感が湧いてきます。

そうこうしているうちに、ローマ・フィウミチーノ空港へ到着しました。
飛行時間は長くありませんでしたが、ITAエアウェイズの雰囲気を十分に感じられるフライトだったと思います。

今回の飛行を通じ、安全性で不安を感じることはまったくありませんでした。
その一方で、機内食やエンターテインメントなど、旅を特別な体験にしてくれる要素についてはやや物足りなさが残ります。
目的地までしっかり運んでくれる航空会社としては十分ですが、機内時間そのものを楽しみたい方は、少し期待値を調整しておくと良いかもしれません。
降機後
今回はマルタからローマへのフライトだったため、シェンゲン協定エリア内の移動となります。
そのため、ローマ・フィウミチーノ空港での入国審査はなく、飛行機を降りたらそのままバゲッジクレーム(手荷物受取所)へと向かいました。
ただ、実際に歩いてみて驚いたのが、飛行機を降りてからバゲッジクレームまでの距離です。
正確に計測したわけではありませんが、体感では、やや早めに歩いても15分前後はかかったように思います。
途中には下の写真のような「Exit」と書かれたゲートを通過する箇所もあり、「もしかしてバゲッジクレームを通り過ぎてしまったのでは……」と少し不安になりました。

しかし、これがフィウミチーノ空港の標準です。
とにかく距離が長いので、不安になっても「Baggage Claim」の案内表示を信じてひたすら歩き続ければ問題ありません。
これだけ歩くと、「荷物はもう流れ始めているかもしれないな」と思っていたのですが、実際にバゲッジクレームへ到着してみると、今度は荷物が出てくるまでかなり待たされました。
私の場合は、到着してから荷物が流れ始めるまで15分以上は待ったと思います。
もちろん荷物が流れ始めてからも、自分のスーツケースが出てくるまでには、さらに時間がかかります。
結果として、飛行機を降りてから到着ロビーに出るまで、トータルで1時間弱ほどかかりました。
ローマ到着後に電車の乗り継ぎや、外せない予定がある方は、かなり余裕を持ったスケジュールを組んでおくことをおすすめします。
一方で、これは便利だと感じたのが、バゲッジクレームエリアにローマ市内(テルミニ駅)へ向かうレオナルド・エクスプレスの券売機が設置されていたことです。
どうせ荷物待ちの時間が発生するので、その間に乗車券を購入しておけば、ロビーに出てから駅へ直行してスムーズに移動できます。
ローマ市内へ向かう予定の方は、待ち時間を有効活用するのがおすすめです。

なお、預け荷物については特に問題ありませんでした。
ロストバゲージや破損もなく、スーツケースは無事に手元へと戻ってきました。
荷物が出てくるまでの待ち時間こそ長いものの、取り扱いそのものについて心配する場面はなさそうです。
総評|ITAエアウェイズはひどい?搭乗を踏まえた結論
実際にITAエアウェイズに搭乗してみて感じたのは、ネットで見かける「ひどい」という悪評ほど、決して悪い航空会社ではないということです。
もちろん、すべてに満足できたわけではありません。
機内食のボリュームやエンターテインメントの充実度には物足りなさを感じましたし、定時運航の面でも遅延のリスクは頭に入れておく必要があります。
一方で、フライト自体は安定しており、安全性に不安を感じる場面は一切ありませんでした。
実際に利用した率直な印象としては、「最高の航空会社」とまでは言えませんが、イタリアやヨーロッパへ向かう際には十分な選択肢になると感じました。
特に、ローマを経由してイタリア各地や欧州各国へ向かう方にとっては、直行便も含めて非常に便利な存在です。
この記事が、これから利用を検討している方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

